介護家族のこころのケア④

2008年4月16日水曜日

トイレ介助の大変さは家族でなければわからないものかもしれない。

介護家族は1日に何回も同じ動きで介助を繰り返しているのだから 体を傷めるのは当然のことだということを世の人はおわかりでしょうか。デイザービスなどの介護職の方にはなかなかわからないかもしれない。老人施設で介助をしている介護職の友達にそのことを話したが「何が大変なの?」と不思議そうに尋ねられた。

手足の硬縮が強い場合には移動から下着のあげおろしまで一連の動きがある。移動はもちろん大変だが、下着やズボンの上げ下げはこんなに重労働であったのかと再認識する。

友人は手足の硬縮の強い自分よりも体の大きい親をトイレ介助をするのに肩にもたれかけさせるように介助をして、頸椎を傷め手術した。
同じく私は両腕がひどい腱鞘炎になり、それを保護するように動いていたら四十肩になってしまった。その腱鞘炎は未だに日常生活の中で見え隠れする。包丁でジャガイモを3個ぐらいむき終えたあたりから腕がだるくなり動かなくなる。布団のあげおろし、掃除機かけ、買い物など日常生活の様々な部分ですぐに発症するので厄介だ。

繰り返しになるが、トイレの介助は1日に何回もあることなので本当に大変な重労働だ。
親の死後1年半経った今はその傷みがあるたびに「いろいろなことがあったけれども我ながらそこまでよくやった」と自分を褒めるのが日課になっている。それは本人から感謝の言葉もなく誰からも褒められることがなかった私に対する勲章のようなものかもしれない。

介護の質については介護生活を卒業した今も未だに自分を責めることがあるが、腱鞘炎という勲章が私のこころのケアをしてくれるものになっていることに間違いはない。

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