今 話題の本でご存知の方も多いと思いますが 本のご紹介をします。
「おひとりさまの老後」上野千鶴子氏著・(株)法研です。
東大大学院の教授ということで難しいことが書いてあるのかと思いがちですが ざっくばらんな語り口で 笑いながらまた納得しながら読める内容です。非常に読みやすく、寝る前に読んでもうなされることのない内容です。(笑)
これから介護予備軍の若い方・今介護に奮闘中の方どなたにも 将来の自分の老後について考えるテーマ・余裕を与えてくれる内容だと思います。
是非 自分を大切にするためにも 是非読んでみてください。
介護でのトイレ介助でよく行われる方法は、要介護者を正面から抱えて両脇付近のズボンやベルトを持って移動しますが、この方法でトイレに座らせようと思うと介護者はおじぎをするように腰を曲げるようになり腰を傷めてしまいます。特に家族がかいごする場合は1日中の介護になるわけですから腰を傷めるのは時間の問題です。
わが家では要介護者の後ろ側から介助をしていました。ズボンを下ろす時には腰を屈めるようになりますが、力をかける時にはズボンやベルトを真上に持ち上げるだけになるので腰を傷めずに済みます。それには もちろん要介護者の立ち上がりや座る脚力がある程度必要になるので、日頃のリハビリは欠かせません。
介護者も介助をする前には必ず腰のストレッチや準備体操を忘れずに行いましょう。
先日電車でとても軽量・コンパクトな車いすを利用されている75歳を少し越したぐらいのご夫婦がいらっしゃいました。アルミで出来ていて5キロ未満のもので、タクシーのトランクに入れ込むことができるということでした。タイヤが小さいため押して歩くには少々不安な感じでしたが、外出の時に軽くて扱いやすいと奥さまはおっしゃっていました。
岐阜の松永製作所http://www.matsunaga-w.co.jp/index2.htmlというところで作っているもので、残念ながら介護保険外だそうですが4万円ほどということで価格も重さもお手軽です。電車やタクシーを使って移動の多い時にはとても便利なものだと思います。2台目の車いすとして重宝すると思います。
介護にかかわらず 来客時にも喜ばれる蒸しタオルの作り方をご紹介します。
おしぼりタオルを熱湯に浸して絞るのは熱くて大変ですが 水で濡らして絞ってからビニール袋でくるんで電子レンジ。タオルの大きさによりますが40秒前後でアツアツの蒸しタオルが出来上がります。
タオルの大きさを変えれば、体を拭く時にも便利です。絞った形で置いておくので冬場でも冷めにくく、非常に便利です。
朝、起きた時や食事の前後にこのタオルを手渡すと 喜んで顔や首を拭いては気持ちよさそうにしていました。是非お試しください。
おまけに、我が家では電子レンジの上にいつも細く丸めた乾いたおしぼりタオルを5本は用意してありました。いつでもすぐに温かいおしぼりが出せるようにしていました。
介護の方法についてもっと真剣に考える人、場所があっても良いのではないだろうか。
古武道を用いた介護方法について時々テレビで放送される。その方法をもっと早く知っていればこんなに腱鞘炎がひどくならなかったのではないかと思うことがある。
(子育てで発症した腱鞘炎を介護で悪化させ、今や家事もままならない状態だ。)
介護用品もイマイチ使いやすくない。それはそうだろう。介助用品を使うのは邪道だという土壌なのだから、よりよいものの開発も期待できない。
要介護者の体格や症状によって介護用具や技術のニーズが異なるところがネックで進化がみられないのかもしれない。いろいろなニーズを集めて共有出来る情報から商品作りにつなげられないものか。介護方法・用具・技術の世界の進化の橋渡しが何かしらの形で出来ればと情報収集中である。
夏に向かってエアコンを使うご家庭が多いと思います。
しかし高齢者は活動量が少ないために ちょっとの温度差で冷えすぎたり寒くなったりと温度変化には敏感です。肌着を工夫することで夏を上手に乗り越えたいものです。
そこでスポーツ用品店では定番になっている涼しく感じるシャツ。 たとえばスポーツ用品メーカー・ミズノのアイスタッチというシャツは腕をちょっと通しただけでわかるほどヒンヤリとする素材でできています。(ミズノのまわし者ではありません(笑)ので念のため)サラリとした感触で、汗をかいてもベタッと肌にくっつくようなことのないシャツです。
おまけに涼感・速乾素材のため 洗濯も非常に簡単です。
シャツ1枚でお出かけするようなおしゃれなものではありませんが、家で来ている分には十分な小奇麗な素材とデザインです。通常の肌着に比べるとほんの少しだけお値段は張りますが、過ごしやすさを実感したらみなさんもきっとアイスタッチの肌着を着ることを選ぶことと思います。
要介護者だけではなく 体を動かしている介護者にももちろんおすすめです。
私はスポーツ用品店のまわしものではありませんが、是非スポーツ用品店でお試しください。似たようなものが肌着売り場にもあるかとは思いますが、スポーツを考えたシャツは本当におすすめです。
介護度が上がれば上がるほど 介護家族は社会から孤立して情報も入りにくくなりがち。
介護における情報は探せばいろいろありますが、現実は介護に時間がとられ情報を探す時間も余裕もありません。洋服を探す時のように 自分の好みやニーズにピッタリの介護道具を探すのは介護保険内ではなかなか難しく 大きな悩みでした。
要介護者・介護者の状況が様々なので「コレ」と一概には決められないことが多く 我が家の場合はどの方法が良いのかと迷うことの多い日々でした。数ある選択肢の中からひとつを選ぶ時に 相談相手がいると頭の中が整理できるのにと思うことがよくありました。
現在のシステムは要介護者のことには相談にのってくれますが、介護家族の状況をよく知り相談にのってくれる場があまりないこと 世の中に知られていないことが社会から孤立していく一つの原因だと思います。介護家族の相談にのる・守るシステムが出来あがらない限りは、今後さらにすすめていこうとしている在宅介護を問題なくスムーズに普及していくのは現実にはなかなか難しいように思います。
硬縮とは病気や使わないため(廃様性症候群)に手足などが曲がって固まってしまうこと。そのような足の人をトイレ介助は大変なことである。ベッドからポータブルトイレに移動させることも大変難しい。その理由は足が曲がっているので上手に足が動かない。そして立っていられない。
足の付け根が曲がった状態のため、パンツやズボンの上げ下ろ時の抵抗が多くとても重く大変労働だ。
男性の場合は元々手の筋肉が発達している人が多いのでベッドのスウィングバーやトイレのひじ掛けを持って何とか少しの間でも立っていてもらえることもあるが、それも足の硬縮状況にもよる。
硬縮予防グッズもあるが、結局夜中の睡眠中に膝を曲げて楽な姿勢になってしまうこと。また昼間に起きている時間に椅子に座っていることで膝が曲がってしまうことが原因と考えられる。長い時間横にしておけば背筋・腹筋が弱ったり褥瘡になるし、椅子に座っていれば膝や肘の硬縮がすすみお尻も痛くなるし。立てない、歩けないということは体の様々な所にスパイラルで影響を及ぼす。
硬縮予防は本人にとっても介護者にとっても根本的なテーマである。
トイレ介助の大変さは家族でなければわからないものかもしれない。
介護家族は1日に何回も同じ動きで介助を繰り返しているのだから 体を傷めるのは当然のことだということを世の人はおわかりでしょうか。デイザービスなどの介護職の方にはなかなかわからないかもしれない。老人施設で介助をしている介護職の友達にそのことを話したが「何が大変なの?」と不思議そうに尋ねられた。
手足の硬縮が強い場合には移動から下着のあげおろしまで一連の動きがある。移動はもちろん大変だが、下着やズボンの上げ下げはこんなに重労働であったのかと再認識する。
友人は手足の硬縮の強い自分よりも体の大きい親をトイレ介助をするのに肩にもたれかけさせるように介助をして、頸椎を傷め手術した。
同じく私は両腕がひどい腱鞘炎になり、それを保護するように動いていたら四十肩になってしまった。その腱鞘炎は未だに日常生活の中で見え隠れする。包丁でジャガイモを3個ぐらいむき終えたあたりから腕がだるくなり動かなくなる。布団のあげおろし、掃除機かけ、買い物など日常生活の様々な部分ですぐに発症するので厄介だ。
繰り返しになるが、トイレの介助は1日に何回もあることなので本当に大変な重労働だ。
親の死後1年半経った今はその傷みがあるたびに「いろいろなことがあったけれども我ながらそこまでよくやった」と自分を褒めるのが日課になっている。それは本人から感謝の言葉もなく誰からも褒められることがなかった私に対する勲章のようなものかもしれない。
介護の質については介護生活を卒業した今も未だに自分を責めることがあるが、腱鞘炎という勲章が私のこころのケアをしてくれるものになっていることに間違いはない。
介護家族は 様々な場面でこころをいためることが多いのではないでしょうか。
介護家族は身近な人からの言葉で一番傷つくのです。たとえば、家族・兄弟・親戚・専門職。
周囲の人の意見にまどわされたり振り回されることがありますが 一番大切にしてほしいのは自分の気持ち。
自分を大切にしなければ介護は成り立ちませんよね。
それでも介護家族に意見を言う人がいたら こんな言葉を言う勇気が必要なのではないでしょうか。
「あなたは全面的に面倒をみてくださいますか。
面倒をみられないのであれば口を出さないでください。
だって今は私がキーパーソンなのだから。」と。
ちょっと過激ですが 混乱の元を断つことで余計なストレスから解放されますよ。
介護は家庭内で限られた人間の中で行われるので 偏った人の介護負担が大きくなっていることが多いのではないでしょうか。本人は抱え込んでいるつもりはないのですが 新しい情報が入りにくい環境、いろいろな人と出会うチャンスもない状況のため 一人で思い悩むことが多いのではないでしょうか。
その悩みは あなただけが思っていることではないと思いますよ。 表現する機会が無いだけで みなが経験している悩み・思いかもしれません。 同じような悩みで傷つき あれで良かったのかと介護が終わっても なお思い出してはため息をついている人が 私の周りに結構います。
その思いはあなただけではないのです。その思いを是非 どなたかに聴いてもらいましょう。同胞が身近にいるかもしれません。
1日8時間しか働かない(介助をしない)介護の専門家はスキルのあることをプライドにして働いているのかもしれません。でも実際は腰を傷めたり重労働ということで、辞めていく介護の専門職が多いのです。介助用具を使えば少しは楽になるかもしれませんよね。そして最も大切なのは、介護される方に気兼ねをさせずに介助してあげることが介護者のプライドよりも大切なのではないでしょうか。
以前、あまりにも介護が大変なので、介助道具をレンタルしようかと思うと担当のケアマネージャーに話したことがあります。
その時に返ってきた答えは、介護をするときに介助用具を使うのは邪道ということでした。
実際にうちで利用していた介護用品店の人に聞いても、用具は売っているけれども邪道だということであまり使われていないという話も聞きました。
家で介護をしているは家族は休みなく一日中介護をしているのです。
そのような人にまで専門家の価値観を当てはめるのはいかがなものかと思います。
使いやすい介助用品・介護用品がなく、またそれをコーディネイト出来るケアマネージャーがあまりにもいなさすぎると思います。今後の課題は介護する人、される人に優しい介護関連商品の開発がのぞまれます
数十年前は調理にハサミを使うなんて邪道でした。しかし今やキッチンバサミは生活の中に入り込み、まな板がなくてものを切ることが浸透し、電子レンジのおかげでお鍋がなくても調理をする人がそれなりに認められる世の中になりました。結果、おいしいものが作られれば良いという世の中になりました。
同様に良い介護が出来るように介助用品をどんどん活用すべきだという時代にしたいものです。