介護者と家族の心のケア

2008年11月12日水曜日

数か月前から読みたいと思っていた本を 先日近くの図書館から借りてきて 一気に読んだ。
介護者と家族の心のケア ~介護家族カウンセリングの理論と実践~ 渡辺俊之著 (金剛出版)だ。

介護の負担感、介護ストレスの部分は特に 私のこころの声を分析されているのではないかと思われるほど的確な原因分析がなされていた。

それらを一言で言うと
負担感の原因身体的疲労介護による私的な生活の妨害。介護とは喪失との対峙で健康で若くて強かった親が弱っていく悲しみの感情がこころに湧きあがること。

ストレスの原因は 親の機能低下や病気の進行に伴う喪失感。介護者と親との関係にもともと問題がある。介護者と周囲との関係。義務や責任で介護にあたること義務的な関係が介護により増強される。感謝をしてくれない、あるいは介護の気持ちが届かない。ということがあると言う。おまけに、要介護状態になると人はおとなの部分が剥がされて元の人格が協調されて出現し、人格に偏りが出てくる。例えば依存的な人は極めて依存的になる。介護者にどっぷり依存して一人では何も出来ない。ということがある。

つまり、義務、責任、現実的状況のために介護からの逃避が許されず、葛藤を乗り越えて介護を続けることが強いられることに こころも体も参ってしまっていたのだと冷静に振り返ることが出来た。

家族だからこそ 細かなところまで気がつくことができるが その分ストレスも多く過去との比較や現実に向き合いながらの介護は葛藤はとても大きなものだ。これが夫の親の介護だったら また別の感情が出現しているのかもしれないが、実の親だったら自宅に抱え込んでの介護はしていなかったかもしれない。

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